そのままでは潰れるよ(11月9日)

『そのままでは潰れるよ』(木子吉永著・あさ出版)を読みました。現役社長が書いた超ホンネの社長学という副題がついています。木子(きし)氏は東亜食品工業株式会社という食品会社の社長でありながら、経営コンサルタントとしても活躍しています。実体験にもとづく経営理論は、一風変わっていますが興深さが感じられます。

 一般にイエスマンというと否定的なイメージがありますが、「イエスマンがいなければ社長は困る」と木子氏は言っています。イエスマンを周囲にそろえていなければ、イエスと言わせるためにエネルギーを費やします。ノーマンが多いと社長自身のエネルギーがなくなってくるそうです。

 また、木子氏は中小企業の社員は技術や技能以上にもっと重要なものがあると言っています。

・返事がよいこと ・明るいこと ・朝に強いこと ・社長と相性が合うこと

 最後の「社長と相性が合うこと」を一番重視しているそうです。上司とフィーリングが合えば、やる気が出て一生懸命に働く。上司も自分を高く評価してくれる。逆にフィーリングが合わなければ、何となく上司の指示が納得できずやる気が起こらない。社長も相手とフィーリングが合わないと扱いづらく感じてしまう。木子氏の社長としての本音のようです。

 従業員が社長と相性が悪いと感じたら? 経営者の視点で書かれていますので、そこまではかかれていません。社長が扱いづらいと感じているようですから、従業員にとっては自分を高めるのは難しいかもしれません。

 雑誌『THE21』11月号で『リクルートという奇跡』などの著書がある元リクルート社員・藤原和博氏は「サラリーマンは気づいていない人が多いが、上司が最大のリスクになる。せっかくの成長のチャンスを不意にしてしまうようなら即刻転職すべき」と言っています。

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仕組みづくりの大切さ(9月12日)

『「儲かる仕組み」をつくりなさい』(小山昇著・河出書房新社)を読みました。著者の小山氏は株式会武蔵野の社長です。同社はダスキンの代理店業務を中心としており、増収増益を続け、2000年には日本経営品質賞を受賞しています。それを機に全国の経営者や管理職が同社を訪れるようになり、経営のノウハウを学んでいます。

 小山氏のノウハウとは、「増収増益を達成するための仕組み」をつくることです。効果的に社員教育をする仕組み、モチベーションをあげる仕組み、業務を標準化する仕組み、などなどです。そうしてつくられた仕組みが相乗効果を生みだし、「儲かる仕組み」となっています。

 業務の標準化の仕組みづくりを取り上げます。社員の資質に依存した経営はしていません。優秀な社員が辞めてしまえば終わりだからです。業務の標準化のために管理職に休暇を取らせています。課長以上は1年に1回、月末から月初めにかけて9日間の有給休暇を取ることが義務づけられています。

 管理職の休暇中に業務が滞れば本人の責任になりますので、部下の教育もするし、業務の標準化、マニュアル化も率先して進めることになります。業務の標準化のための仕組みであり、部下の育成のための仕組みでもあります。

 休暇中はメールを読むことは許されているそうですが、発信することは禁止されています。発信された形跡があればわかるように、そして発信がわかれば罰金、これも「仕組み」となっています。

 問題が発生したときに能力のある人材に解決させるのでなく、仕組みによって対処する。仕組みが人材を育成するわけです。 

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手当も工夫次第(8月2日)

 雑誌『週刊ポスト』7.22号に、「社員をやる気にさせる『おもしろ手当&人事』教えます!」という記事が載っていました。仕事の成果に関係のない手当は廃止される傾向にあります。ソニーが住宅、家族手当を全廃したことや松下電器産業が配偶者手当を廃止したことなどが紹介されています。

 こういう時代だからこそ「おもしろ手当」は新鮮に感じられます。法政大学大原社会問題研究所教授・早川征一郎氏は、特に女性の定着率を上げるためにユニークな手当や制度を打ち出す企業は今後増えていくと予想しています。

 女性専門のトレンド情報発信サイト「ヒメクラブドットコム」を運営するヒメアンドカンパニーには「失恋休暇」があります。生理は薬で何とかなるけど、失恋は…。仕事の支障は失恋が断然大きいところから導入が決まったそうです。年齢によりとれる日数が違い、20代前半は年1回1日、20代後半は2日、30代以上は3日休めるそうです。

 松下電工の子会社・松下電工インフォメーションシステムでは、社員の資格取得などに対してポイントを付与する「マイレージ制度」を導入しています。例えば基本情報処理技術者資格を取れば、100マイルが与えられ現金1万円と交換できるそうです(ただし、ポイント交換は次の自己啓発の元手に使うのが原則だそうです)。

 ここでは紹介されていませんが、7月20日の日経新聞では、IT関連企業・サイバーエージェントの「近距離手当」が紹介されていました。渋谷の本社から二駅圏内にすめば毎月3万円が支給されるそうです。近距離にすめば、深夜も同僚と仕事の議論をしたりすることができます。「組織力を高めるのは仲間意識」との藤田晋社長の考えから導入されたそうです。

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基本は官僚制(7月8日)

『組織戦略の考え方』(沼上幹著・ちくま新書)を読みました。

 否定的なイメージのある「官僚制」ですが、組織設計の基本は「官僚制」にあると著者は言っています。、組織設計の基本ができていない会社は凡ミスを多発し、凡ミスを多発するような会社は他に多少のメリットがあっても生き残れません。「官僚制」の基本をよく理解して、基本中の基本の部分だけは堅持した方がよいと言っています。

「官僚制」組織設計の基本は、「プログラム」と「ヒエラルキー」だそうです。「プログラム」は、毎日繰り返し出現する問題を解決する手順が決められていることです。各人が割り当てられた役割をきちんとこなせば、大量の複雑な仕事を効率的に仕上げることが出来ます。

 組織設計はまず「プログラム」ありきです。「プログラム」で対応できない例外は、上にあげること(「ヒエラルキー」・階層)によってその都度上司たちが考えて処理します。この2つが組織設計の基本です。

 2000年に乳製品よる食中毒事件を起こした雪印乳業は、マニュアル通りに洗浄作業が行われていませんでした。また、マニュアルに記されていなかった停電という異常事態が生じていたのに、判断を仰がずにそのまま作業を進めていました。「プログラム」と「ヒエラルキー」が不十分だったことになります。

 創造性や戦略性が必要な企業も、まず自社の「官僚制」機構という足腰のチェックが必要だと説いています。確かに、創造性が必要な企業も基本は仕事の反復にあります。

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リクルート式(6月10日)

『リクルート式「最強の営業マネジメント」のすべて』(大塚寿著・PHP研究所)を読みました。多くの起業家を輩出しているリクルートの営業力には定評があります。この本は、そのもとになる営業マネジメントやモチベーションに焦点を当てています。

 どこの会社でも、最小の営業単位(たとえば「課」)には5、6名の営業マンがいます。これはリクルートも同様です。しかし、リクルートは他に庶務の女性が一人います。単に営業の負担軽減のためだけではありません。受注があったらその旨をフロアーに響き渡る声で叫んだり、受注の垂れ幕などを書いてくれます。

 受注や連絡事項、応援メッセージなどをA4一枚にまとめた「壁新聞」のようなもの(リクルートではこれを「日報」と言う)を毎日発行し、これが元気の源になっているそうです。課を盛り立てる方策を話し合う庶務同士の会議もあります。クラブ活動やサークルのマネージャーのようなものだと大塚氏は言っています。

「ヨミ会」という会議も独特のものです。見込みについて上司と話し合う場合、普通上司と一対一で話し合います。リクルートでは、それぞれが「見込み」を全員分コピーして持ち寄ります。上司は一人一人に進捗状況を報告させます。他の人の案件からも、詰めの方法が学べたりできることなどがメリットのようです。

 リクルートには年2回のボーナスの他に、年2回の報奨金制度があるそうです。団体戦として順位を競います。個人の成績がよくても課の成績が悪ければ意味がありません。個人のモチベーションとチームのモチベーションがうまくリンクする仕組みになっています。

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評価誤差(6月3日)

 6月2日、日経新聞連載「こちら人事部」に日産自動車の評価者研修が取り上げられています。

 人事評価は評価者の資質に左右されるため、企業にとっては「評価の標準化」が重要となります。研修前に社内イントラネットで心理テスト形式の「評価傾向診断」を受けます。その後、5、60人が一組となった集合研修となります。

 研修はグループ討議を中心に進められます。ある場面を想定し、部下をどう評価すべきかを話し合います。最初はバラバラだった評価の付け方も、評価マニュアルを参照しながら議論を重ねるうちに評価が均一化してくるそうです。

 研修の後、事前に受けた「評価傾向診断」の結果を受け取ります。

1.直前に部下がした成功や失敗で評価を左右する。
2.性別で評価を変える。
3.何でも寛大に、もしくは厳格に評価する。

 などが評価間違いとして認識されるようです。

 理論上もこのような「評価誤差」は指摘されています。直前の印象が全体の印象となってしまう1の評価誤差は「ハロー効果」と言われています。一部の印象が全体の印象を作り出してしまいます。

 3は「寛大化傾向」「厳格化傾向」と言われています。考課者が自分の考課に自信がもてないときは評価が寛大となり、逆にその分野に自信を持っていると評価が厳格となってしまいます。

 他の社員の評価に対する考えを知ることにも意味があります。考課者研修の場合、講義形式よりも討議形式が効果的です。


(社会保険労務士試験受験の方へ)
 試験まであと3ヶ月を切りました。不安になってくる時期だと思いますが、これからが勝負です。勉強方法、学習内容、試験当日のことなど気になることがありましたら、メール(右サイドバーにボタンがあります)にて気軽にお問い合わせください。

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成長の実感が大切(5月27日)

 5月24日、日経新聞連載「こちら人事部」に「研修に一工夫」という記事が載っています。企業が職場内訓練(OJT)のほかに職場外訓練(Off-JT)に工夫を凝らしている様子が報告されています。

 マツダでは入社4年目までを「新入社員」と位置づけ、手厚い研修を提供しています。常時30ほど用意されている講座から、一般社員は年間2講座までなのに対し「新入社員」は4講座まで選択できます。そして、本社そばのマツダ教育センターで開く集合研修とパソコンを使ったeラーニングで受講します。

 マツダでこういった「知識重視型」の研修が導入されるようになったのは2002年からです。1997年に職種別採用制度を導入し、適材適所の人材確保には効果が現れてきましたが、配属された職種だけに知識と経験が偏重する副作用が出始めました。そのため、日常業務とは異なる分野の知識を深める機会を与えることにしました。大幅な人員削減を実施したことにより手厚いOJTが難しくなったこともあるそうです。

 座学であれ、成長が実感できる機会を持つことは意味があると思います。成長が実感できずに会社に「使われている」と感じたとき、仕事に対するモチベーションは下がってしまいます。

 会社に勤めていれば「一つ上の立場で考えろ」とよく言われます。しかし、一つ上の立場で考えても答えは出ないのではないでしょうか。私は複数の会社、複数の職種を経験したうえで複数の知識をつけたときに、以前を振り返り、あのときはこうすればよかったとようやく思えたことがあります。

 複数の業務知識をつけておくことは意味があると思います。できれば「ものづくり(開発、生産)」「ものの販売(営業)」「お金の出入り(会計、財務)」の3つの知識をつけていたいものです。

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65歳定年時代(5月10日)

 月刊誌『フォーブス』(ぎょうせい)6月号に「65歳定年時代がやってくる! 定年延長・再雇用と高齢者の働きがい」という特集記事が載っています。

 改正された「高年齢者雇用安定法」では、来年4月1日から65歳への雇用延長が義務づけられます(経過措置あり)。

 高年齢者雇用安定法には以前から65歳までの雇用延長が定められていましたが、努力目標にとどめられていました。定年延長を実施する企業に対しては助成金を支給するなど「アメ」を与えてきましたが、思うような効果は上がらなかったようです。

 企業にも選択肢を与えており、「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかで実施すればよいことになっています。継続雇用の形をとる会社が多いようです。

 再雇用されるのは製造現場で長期にわたって養われた技能を持った人材に集中し、さまざまな部署を渡り歩いたホワイトカラーのゼネラリストには門戸が非常に狭いことが誌面で指摘されています。

 労働者派遣事業として製造業への派遣は認められたばかりです。需要が多いこともあり派遣業界は活況を呈しています。製造部門の再雇用が増えると派遣業界には影響が出るかもしれません。

 すでに65歳までの雇用制度を導入している企業が紹介されています。旭化成は再雇用という形をとっていますが、対象は組合員に限定されています。非組合員の管理職は対象となっていません。

 それだけ非組合員に退職金が多く支払われていると考えられますが、それほど退職金の額が変わらないのであれば、65歳まで雇ってもらえるように管理職への昇進を拒否する社員が出てこないか気になります。

 石川島播磨重工業は定年退職者向けに社内求人を公開し、申込み、面接、採用という社内ハローワークのシステム(ジョブマッチングシステム)で再雇用しています。

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勝ち組の成果主義(4月15日)

『ここが違う! 勝ち組企業の成果主義』(柳下公一著・日本経済新聞社)を読みました。著者の柳下氏は、武田薬品の人事部長から常務、専務を歴任し、退任後は人事コンサルタントとして活躍されている方です。成果主義がうまく運用されている例として、武田薬品はマスコミでよく取り上げられています。

 多くの企業で成果主義を取り入れる際に、人事、総務、経理など成果が数字で判断できない職種にどうやって取り入れるのかがよく議論されます。無理矢理成果主義に当てはめようとしている企業もあるようです。

 自己裁量権のあるなしと、数値目標で判断できるかが、武田薬品では成果主義を取り入れるかどうかの基準になっています。そのため、組合員で成果主義が取り入れられているのは一部です。営業職の「事業場外労働」、研究職の「専門業務型裁量労働制」などみなし(裁量)労働時間制が労働基準法で定められていますが、これらの労働時間制の対象になっている社員です。

 上司の指示、方針に従う一般社員については行動面をみているようです。成果の上がる行動特性を「コンピテンシー」といいますが、この行動基準に沿って行動できたかどうかを評価しています。

 成果主義を取り入れようとする企業は、人件費抑制がまずありきという場合も多いようです。「成果主義を採用すれば、給与が上がる人がいれば下がる人もいる。トータルとしては、プラスマイナスゼロが通常の状態です。大半がマイナスになれば、確かに人件費は抑えられるだろうが会社の状態は惨憺たるもの。こんなことを望む経営者はいないはずだ」と柳下氏は忠告しています。

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利用者47万人!(4月12日)

 日曜日の日経新聞「サンデーニッケイ・アルファ 安心生活」に「資格取得の費用、損していませんか 教育訓練給付金で負担減」という記事が載っています。雇用保険の「教育訓練給付金」についてです。

 2003年度の教育訓練給付金に関する資料が掲載されています。受給者数は約47万人、支給金額は約900億円となっています。単純計算すると1人あたり19万円ほどが支払われたことになります。(給付額は2003年5月に大幅に引き下げられています。上記の数字には4月の駆け込み需要も入っています)

 一番受給者数が多いのは「事務処理技能」の分野です。簿記や語学関係、OA関係の講座が対象になっており、23万人ほどが受給しています。社会保険労務士講座は司法試験や税理士講座などと同じ「法務・財務・経営労務・不動産関係」分野になっています。この分野は約3万5千人が受講し、支給金額は約64億円となっています。

 03年5月までは、雇用保険の加入5年以上を条件に経費の8割、上限30万円が支給されていました。それ以後は(現在も)雇用保険加入5年以上の場合は、経費の4割、20万円が上限となりました。ただし、雇用保険加入3年以上も対象になり、加入3年以上5年未満の場合、経費の2割、上限は10万円です。

 失業中でも、失業後1年以内に受講し始めれば利用可能ですし、あいだが1年以上あいていなければ、転職の前後の期間を通算することも可能です。対象講座はハローワークだけでなくインターネットでも調べられます。(教育訓練給付制度検索システム:http://www.kyufu.javada.or.jp)


(追記)
私も資格予備校に行っていた受験1年目にこの給付金を利用しました。(2年目は右サイドバーで広告配信しているユーキャンの講座を利用)

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